『マリア様がみてる 卒業前小景』(今野緒雪/集英社/ISBN:9784086012140)

近づいてきた、三年生の卒業。祥子や令、それに新聞部の三奈子もリリアンを卒業していってしまう。祐巳由乃、真美、桂たち在校生は、それぞれ複雑な想いを抱えながら、卒業前の一日を過ごすが…。

卒業式前日。大きくは祐巳と祥子さまのすれ違い→ラストでの邂逅(?)という流れがありますが実質的には連作短編集。切なさというかやり残したことがある的焦りというか妙なテンションというか、何というか卒業式前日らしい空気で全編覆われていてムダに胸がどきどきします。薔薇の館のメンバーが殆ど出てこない話もいくつかあるのですが、それがまたツボだったりするのがこの方の品質の高さ、なんでしょうねぇ。ラケットの話や美術部の話とか良いですよねぇ。卒業式は先代薔薇さまたちも含め全員集合な話になりそう。やっぱり気になるのは卒業式のその先。いずれにせよ全員集合な話はこの先では出てこないでしょうから楽しみたいですね。

マリア様がみてる卒業前小景 (コバルト文庫 こ 7-59)マリア様がみてる卒業前小景 (コバルト文庫 こ 7-59)
今野 緒雪

集英社 2008-10-01
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