本屋大賞候補作読了7つめ。微妙なペースになってきた。ギリギリ全部読めるかな。
さて、本作。元々は新聞連載だったらしく、細かなエピソードを積み重ねる事によって、とある事件の関係者達の人物像を浮かび上がらせていきます。で、結局は誰が悪人なん?ってことを間接的に問い掛けているのがたぶんミソ。法で裁かれる悪人ははっきりしてるけど、感情の上での悪人は奴だよなぁと思うのも一興。
ラストの独白は、祐一を好きになってしまった光代の独白なのですが、佳乃を好きになってしまった祐一の独白でもあり、増尾を好きになってしまった佳乃の独白でもあるんだろうなぁ。この三段論法(?)から言っても最悪人は増尾、ということで。
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