『ゴールデンスランバー』(伊坂幸太郎/新潮社/ISBN:9784104596034)

思い浮かべた事は3つ。
第一に、タイトルの由来でもあるであろうビートルズのアルバム『アビーロード』のこと。ビートルズの実質最終アルバムのラストを飾るメドレーの中でも「Golden Slumbers」は最後の盛り上がりを導き出すための曲。読んでる途中やっぱり頭の中で流れてました。
第二に、ガンダム。「ア・バオア・クー」からアムロが「コア・ファイター」で脱出するあたり。たぶん最終話。具体的にどこでと言われると、バッテリーを交換して車が動き出すあたり。逃亡中だとこのエピソードが一番好き
第三に、『イリヤの空、UFOの夏』の4巻目すなわち最終巻。息苦しい逃避行とラストがはなまるということで。
ということで、以上3つより最終回へ向かって一気に突き進む、という印象のお話でした。第一部「事件のはじまり」、第二部「事件の視聴者」、第三部「事件から二十年後」で事件の概要や後日談が先に語られますが、実際のところ誰がなぜ等の詳しい状況はわからないまま。そして始まる第四部「事件」。訳もわからぬまま事件に巻き込まれた主人公の「訳のわからぬまま」がリアルっぽくて話に引き込まれ、後は一気読みでした。結局誰がなぜ事件を起こしたのかということを描かず逃亡劇だけを描いたのがリーダビリティに繋がってるかと思いました。樋口母子がお気に入り。

ゴールデンスランバーゴールデンスランバー
伊坂 幸太郎

新潮社 2007-11-29
売り上げランキング : 154
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools