再読。何年かぶりに読みましたが、やっぱり大好きな作品です。日常の謎系ミステリーとしても良い作品ですが、出会った時点ではクールだった男女がデレデレになっていく様を鮮やかに描いているところに改めて感動します。出会いのところは加納朋子らしからぬクールなカッコ良さ。男の方はすぐにヘタレ化する気がするけどそれは愛嬌。女性の方はラストまでは強気というか勝気一辺倒。なのにラストはデレ。素晴らしいと思います。文芸書単行本としては1995年の作品。それは「ツンデレ」やその類が発見される前の時代の作品。こういった概念が人口に膾炙する今こそ読んでもらいたい作品というのはたくさんありそうですよねぇ。樋口有介作品しかり。
掌の中の小鳥 加納 朋子 東京創元社 2001-02 by G-Tools |