『配達あかずきん』(大崎梢/東京創元社/ISBN:4488017266)

元書店員が描く本格書店ミステリ、らしい。5編収録。書店員が書くミステリで東京創元社で、という事前情報から期待する通りの作品でした。デビュー作なのでしょうが、とっても安定していて安心して読める作品。雑誌や本のタイトルが結構そのまま使われているのがちょっと意外。この中で一番の好みは「六冊目のメッセージ」かな。特に書店らしいなぁという点でポイント高し。私にしては珍しく早い段階で真相が想定できた話でもありましたが。
巻末の書店員を集めた対談も含め、書店員が楽しめるのは間違いないですね。それ以外の方もミステリ部分&書店の内情部分で楽しめるのではないでしょうか。ただ、この作品の良し悪しと関係なく「本屋大賞」にはノミネートされて欲しくないなぁと思いました。最後に、「若者に流行の薄っぺらい文庫」が「ライトノベル」を指しているのかどうかが気になるところ。