『親父の心配事』(東篤志/双葉社/ISBN:4575831824)

奇妙な味わい。買ったのは原作が森高夕次だったから。1冊モノなので詳しく書けませんが、会社で部長をやってる主人公の親父の会社・家庭での心配事が森高夕次らしくゴロゴロ転がっていきます。オビによると

仕事、息子の進学、女房の不満、部下との不倫!?思わずうなずくリアルオヤジマンガ!

とのこと。見所は最終回。各方面の心配事が拡大しているような所で最終回を迎え、一気に話を畳んでいきます。この一気な感じは計算どおりなのか、そうでなかったのか(妻方面の話は尻切れっぽい)私にはよくわからない。一気な感じの象徴は親父が不倫相手(?)と走って逃げるシーン。このあたりの焦燥感は夏目漱石の『それから』を私に思い出させ、この話の「それから」は、どうなるんだろう?というのが気になってきます。結局はどの心配事のラストも描かれていないし。こんな感じで奇妙な味わいの残る作品でした。