『クドリャフカの順番』(米澤穂信/角川書店/ISBN:4048736183)

楽しかった。版元情報によると(http://www.kadokawa.co.jp/hot-line.php?pcd=200501000087)内容は次の通り。

待望の文化祭。だが、折木奉太郎が所属する古典部では大問題が。手違いで文集を作りすぎてしまったのだ。古典部知名度を上げて文集の完売を目指すため、奉太郎たちは学内で起きた連続盗難事件の謎に挑むことに!

古典部4人それぞれの一人称視点で話は進行。とりわけ千反田えるのパートが秀逸。一人称視点でナチュラルにボケ倒すもんだから楽しくて楽しくてしょうがない。楽しい、といえば文化祭という舞台。私自身には思い入れはないのですが、文化祭というと日常生活とは離れた独特の空間・時間進行・情熱などが湧き起こるイベントとして有名だそうです。古くは『うる星やつら』ちょっと前なら『イリヤの空〜』でもそんな感じでしたし。そのような文化祭というイベントが持つ楽しさがストレートに伝わってくるのが読み手として楽しかったです。特に「ワイルドファイア」という料理対決の部分。古典部の3人が一組となってこれに参加してますが千反田えるはここでも大活躍。一方でミステリーとしての側面もある作品ですが、私は青春小説として読んだのでミステリーとしてのコメントは割愛。青春小説として読んだせいか、「ほろ苦さ」は薄めで「楽しさ」にあふれる作品でした。本当に楽しかったです。それはそうと『氷菓』『愚者のエンドロール』の追加分が入ってきてないぞ。重版待ちですか。