『蛇行する川のほとり(2)』(恩田陸/中央公論新社)

三部作の第二作目。祥伝社の400円文庫もビックリなまでにあっという間に読めました。今まで読んだ中で傾向が近いのは『夏の夜会』(西澤保彦)かなぁ。記憶を封印あるいは捏造してしまっている過去の事件の真相が、時を経て明らかになる、という感じです。ただ、本作はまだ途中なので今後どうなるかわかりませんので、コメントは完結してから。
で、余談。一般論なのか自分を含めた一部の傾向かはわかりません。ショックな出来事があった時に自らを守るという口実で、事実を捻じ曲げて理解し記憶してしまうという事がありませんか?例え話ですが、ほのかに想いを寄せている異性がいたとしましょう。その人との会話の中で、「○×の夜景を見てきたんです。その夜景には何か言い伝えがあるらしいけど、知ってますか?」という話があれば、いま普通に考えるとノロケ話を聞かされてる訳なのですが、そう理解しないのですね。自分の都合のいいように解釈してとりあえず安心してしまう。いわゆる現実逃避ってヤツです。事実にフタをしただけで、結局何も解決しないのはわかってるんだけどなー。まぁこれは例え話なのですが。