読み切りスタイル4コマ誌

いつから書いてあるのだろう。私が気づいたのは先月号でした。『まんがくらぶ』の表紙に「読み切りスタイル4コマ誌」と書いてあります。ここから思うことをちょっと書いておきます。
「読み切り」を主張する意図は何なのかなぁ。他に「読み切り」を主張しているコミック雑誌というのは「恋愛白書系」「ハーレクイン系」「ほんとうに泣ける系」など主婦向けコミック誌ですね。一般的な話かどうかわかりませんが、お客様から「この類の雑誌は気楽に読めていい」という話を聞いたことがあります。少年少女青年誌だいたいストーリーものが主力なので、途中から入り込むのが大変だとか、それまでの話を覚えているのが面倒だ、ということなのかな。深く読み込むというより、「読み切り」なので手軽に楽しめますよ、という感じでしょうか。
4コマ誌の場合。4コマって1本1本に起承転結があってその都度完結しているから、その意味究極に近い「読み切り」であって作品全体でストーリー性があるなんてそもそも思われてなさそう。なのに4コマ誌が「読み切り」を主張するのはストーリー4コマ、例えば「まつのべっ!」のような作品もあるので、そういうのは載ってませんよ、というアナウンスの意味はあるんでしょうけど、主婦向けコミック誌を買う層を積極的に取り込みたいのでしょうねぇ。
この方向性で進むと刹那的な作品が主流となっていくのかな。別段私はそれが嫌とかそういうのはありません。ただ、手軽に楽しめるというよりは深読みというかじっくり味わうことに価値がある作品、勝手に代表格を小坂俊史作品として、そのあたりがどうなるのかが気になります。だいたい小坂俊史の上手さと安定感というのは4コマ誌の中では抜きん出ていて、ロジカルあるいはディープな4コマ読みには高く評価されているとは思うんだけど、その枠の外だとそもそも知られていないのではないかと思う。それは惜しいよなぁ。南ひろ子が4コマ誌を出てその外の世界で評価を受けたことは2008年の衝撃でした。王様になれるかどうかはわかりませんが王子として4コマ誌内で君臨するのも悪くないでしょうが、外の世界での評価ってのも見てみたいです。わがまま言うならビッグコミック増刊という手堅い方向でなく、もっとはっちゃけた方向で。


結論:小坂俊史は4コマ誌を出て行くべきだと思う。


あれ?なんでこんな話になったんだろう?