課題図書依存?(150坪・書店員BLOG)

きっかけっていうのはね、つまらない偶然プラス、ちょっとした作為だってことさ。



夏休み。読書感想文。小学生ぐらいだと、本人はともかくスポンサーである親も下手に変な本を買うリスクを負うよりも課題図書を選ぶのは簡単かつ安心なんでしょうねぇ。
これが中高生になると、よく見かけるのは学校による推薦図書が書かれたプリントを持って来て、そのリストの中から探すという姿ですね。基本的にリストの中には課題図書が含まれておりますが、リストから自ら探す生徒さんは課題図書は選ばず薄い文庫を選ぶような気も。話は逸れますが先日見せてもらったある私立の高校の推薦図書にはイーガンやカルヴィーノが含まれておりました。素敵んぐ。


それはさておき、いずれにせよ読書感想文で困る子たちってのは読書習慣が薄そうだし本の選別能力もまだまだ低そうなので、一先ずは課題図書だったり学校の推薦図書の本を読むってのはアリなんじゃないかと思います。でもたぶん大事なのはこの先なんでしょう。
たとえば、ふだん読書しないけど読書感想文のために課題図書を仕方がなく読んだら案外面白くて感想文も書けた、というのはあるかもしれない。ただ、そこで終わるんじゃなくて、その先、自ら面白そうな本を探したくなるような仕掛けというか仕組を構築できんもんかなぁと考えたりします。読書が読書感想文のためにあるんじゃなくて、単純に楽しいから読書をするということに気づいてもらえるような「ちょっとした作為」ってのをやってみたい。うまくいけばランキング依存も回避できそうだし。文庫の「夏の100冊」の小冊子はとっても参考になるよなぁと思いつつ具体的には何もできてませんが。


冒頭の台詞は加納朋子の『掌の中の小鳥』からの引用。この作品は「日常の謎」系ミステリーに見せかけた甘甘な恋愛小説。人の恋愛を見てとろけたい方への推薦図書。

掌の中の小鳥 (創元推理文庫)
掌の中の小鳥 (創元推理文庫)加納 朋子

おすすめ平均
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stars日常ミステリー
stars読後さわやか♪
stars綺麗なミステリー
stars日常のミステリー

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