『ラディカル・ホスピタルよりぬきキャラクターズファイル』(ひらのあゆ/芳文社/ISBN:4832264796)

私が現在の四コマの中で最高峰と思っている作品のよりぬきなので間違いなく面白いです。さて、考えるべきはここから。帯には思いっきり

ラディカル・ホスピタルを初めて読む人のガイドブックです!!

と書かれております。ところが、この作品を買っていく大半は同時発売の『ラディカル・ホスピタル(11)』も一緒に買う既存のファンだと思われます。ファンブックともいえる本なのでそれは間違いではないでしょう。ただ、この場合は再録メインで600円は高いかも?
一方、本来の目的である「初めて読む人のガイドブック」として購入される方は多いのでしょうか?多分多くないと思われます。なぜなら四コマというジャンルはかなり閉じた世界だから。多くの方にとって四コマというのは接点のないジャンルで、それほど多くないコアなファンの方が支えていると思われます。既に知ってる方には「初めて読む人のガイドブック」は不要だし、接点のない方はそもそも触れることがない。だから諦めた、という話でなくて、だからどうするのか、という話。『よりぬき』は見本と位置づけ本編を売りにかかる。ひねりのない考え。ただ見本に600円は高いかな、と思う。四コマの所にだけ置いていても既存の四コマファンしか見ない(誇張気味)。ならば多面展示。多くの医療漫画と一緒に並べるとか、コミックコーナー以外でも置くとか。ここまで来ると『ラディホス』に期待したいのは四コマというジャンル自体への入り口となること。萌えを考慮すれば別の入り口もあるでしょうが、正面入り口という感じで。よくライトノベルの入り口って話題になるけど四コマの入り口についても考えておいたほうがいい気がしてるんです。『ラディホス』と『らいか』、重野作品あたりがその役割を担ってくれそう。実際に何をするのかは書店員のお仕事。私のお仕事。ここまで考えても入り口の入り口に600円は高いかなぁ。雑誌増刊の『コレクション』の方が見本としては使いやすいかなぁ。