『回転銀河(1)』(海野つなみ/講談社)

第弐齋藤 | 土踏まず日記のところで感想を読んでいつか読もうと思って買ったは良いけどすっかり忘れてました。今週には2巻が出るようなので、慌てて読んだ次第。
すごい作品だと思った。いろんな人たちの、いろんな恋愛模様が描かれた連作短編集。うーん、恋愛、というよりは、著者の方が書いてるように、愛情のほうが近いかな。いろいろな愛情のカタチ。姉と弟で、とか、同性愛、とか書くと奇をてらっていたりセンセーショナルな内容だと思われるのが常ですが、本作品はちゃんと地に足がついています。どんな愛情のカタチであろうと、“好きであること”と“幸せであること”の関係を鮮やかなまでに描いてるなぁ。どちらかというと脇役キャラのイズミと恭子に注目。この2人が“幸せ”になれるように願わずにはいられません。他のみんなもだけどね。“好きであること”は尊いです。
女性向けの作品を男性にもっと読んでもらいたい、という野望のある私にとっては、もってこいの作品。「マリみて」を普通に面白いと思う男性には普通に面白いと思ってもらえるはず。こんなに上質な作品が殆ど話題にもならないなんて勿体無い話。なんとか多くの人に読んでもらいたいなぁ。