楽しかった。試合前々日から始まり、当然メインイベントは男子との試合で、後日談があって物語の終わりは「ハッピーエンド」という流れなんですが、試合前から試合が始まった直後くらいまでの地に足がつかず浮ついたような感覚が心地よくて、読んでるこちらまでふわふわした気持ちになってしまいました。作中の楽しさが伝わってきて、読んでるこちらまで楽しくなる、というのは本を読む喜びの中でも上位に来るんじゃないでしょうか。試合が始まってからはかなりマジ。息苦しいまでの緊張感も良いですねぇ。メリハリもあって上質なエンタメ作品だったと思います。
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個人的感想はさておき、売る側としてはどうか。女子スポ根モノとして私の中でタイプが近いのは『暴風ガールズファイト』。一緒に考えます。
本を並べる時って、まずは判型の影響を受けるので、普通は『大正野球娘。』はノベルス売り場に、『暴風ガールズファイト』は文庫・ラノベ売り場に並べることになるのでしょう。その中で出版社ごと等のルールで並ぶことになります。
一方、自分で読んでみて、どの層に受けそう、どの層に読んでもらいたいかと思ったかというと小学から中学くらいの女子なんですね。いずれ女子もBLかハーレクインかレディコミかそのあたりに流れていくのかもしれませんが、プリキュア等見て育った女子は元々女子たちで集まって何かを成し遂げるような話は嫌いじゃないと思うのですよ。「ハッピーエンド」な『大正野球娘。』はともかく打ち切られたっぽい『暴風ガールズファイト』はこのまま消えてしまうのは惜しい。そのまま使えるかどうかわからないけど、題材は向いていると思うんで何とかならないものか。ラノベから児童書・児童文庫という流れもこれまで皆無でなく『フォーチュン・クエスト』や『トリシア』シリーズなど事例もあるし。児童文庫は何故だかスポーツネタが少ないので厳しいかもしれないけどヤングアダルトならだめかなぁ。先日書いた『武士道シックスティーン』とかそちらのノリでもOKです。ラノベであるがゆえにラノベの範囲だけでしか売られないのはもったいないと思います。
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